当院について
ごあいさつ

病院長 足立  淳

当院は、山口県の東南部、瀬戸内海に浮かぶ周防大島の東部に位置しています。周防大島は、温暖な気候と美しい海に囲まれた瀬戸内海国立公園内にあり、片添ヶ浜などの観光資源も豊富な自然豊かな地域です。島は大島大橋で本州と繋がっており、当院は橋を渡って、左折し約23km、車で約30分の島のほぼ中央部に位置し、島の先端まではまだ約18kmあります。

当院の起源は昭和34年、大島郡内の病院・診療施設が設立した国民健康保険診療施設組合にさかのぼり、大島中央病院としてスタートしました。その後、名称変更・機能強化を経て、平成16年の町村合併により診療施設組合は、周防大島町公営企業局になり、病院の名称も現在の名称となりました。平成25年に電子カルテ導入、平成29年には運営は周防大島町事業局になりました。令和2年には厚労省の重点支援区域に選定され、許可病床数114床から99床への病棟再編が行われました。現在は地域包括ケア病床23床(13:1)、療養病床37床(20:1)を運用しており、一般病床39床は休床中です。令和6年度の一月平均入院患者数は43.3人、外来は75人でした。島の人口も14000人を切り、高齢化率が56%を超えつつある現状で、毎年外来患者、入院患者の減少が続いています。標榜診療科は内科、循環器科、外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、リハビリテーション科、発達小児科、放射線科、病理診断科で、常勤医7名(山口大学卒5名、広島大学卒1名、自治医大卒1名)と、山口大学・広島大学等からの非常勤医師により支えられています。

医師以外の職員はパートを含め102名です。入院時の食事では、地元の茶がゆや新鮮な魚介類を取り入れ、温かみのある療養環境を心がけています。院内にはクラス1000・10000の手術室、16列マルチCT、1.5T MRI、X線透視装置、骨密度計、外科用イメージなどを備え、画像診断は外部委託で対応しています。検査室では、生化学、免疫、凝固、血液検査、血ガス、心電図、ホルター心電図、呼気検査などに対応しています。内視鏡検査も上部・下部ともに複数台のスコープを備え、胃・大腸健診、大腸ポリペクトミー、EMRまで施行可能です。

周防大島町は、瀬戸内アルプスと呼ばれる600m級の山々に囲まれ、狭隘な海岸部の丘陵地帯や山地に住宅が点在し、当院の対象地域である東和・橘・久賀地区では高齢化と独居、老老介護が進み、自宅から病院までの距離がある中で、地域住民は移動に関する課題を多く抱えている状態です。当院は病院患者輸送バスを運行していますが、時間帯や経路等が限られており、町による地域公共交通の見直しに合わせた運用の改善を図るとともに、自宅等にいながら医療を受けられる情報通信技術(ICT)を活用した遠隔診療(オンライン診療)を行政と一体となって推進してます。 なお、令和6(2024)年度やまぐちデジタル実装推進事業の取組の一つである医療MaaSを今後も活用しながら、町立病院内の医師が患家や公民館等に来る患者に対してオンライン診療(DtoPwithN)を提供するなど、住民の利便性向上や受診控えによる症状の進行防止などの取組を、町や山口県、山口大学医学部、山口県立総合医療センターへき地医療支援センターなどと連携しながら進めています。

当院は、1次、2次救急はもちろんのこと、急性期後の回復期・慢性期を担うポストアキュート医療機関としての役割が大きく、今後も地域のニーズに応じた医療を提供してまいります。また、これまで新型コロナウイルス感染症の患者受け入れにも積極的に取り組んできたように、新興感染症や災害医療にも引き続き尽力していく所存です。今後とも地域とともに歩む病院として、多職種連携と広域支援をいただきながら、へき地医療の持続可能性を模索しつつ邁進してまいります。